2ヶ月後のTOEICのために要点やテクニックをまとめてみた(その4:各パートに対する基本的姿勢はこれだっ!PART5)

さてさて、連日のエントリーですが、これがいつまで続くのやら。是非最後まで続けたいところです。
別段全体の筋書きは用意してないのですが、手元にはALCの「2カ月で攻略 新TOEICテスト730点」があるので、これを自分が進めながら、思ったことを記事にしようかと思っている次第です。ただ、1つ読んで1つ記事を書いて、ですと何かアレなので(何がアレなんでしょう)、ある程度進めて、あるいは、必要に応じてテキストを先読みしたりして、自分なりにまとめて行きたいと思いますので、どうぞ最後までお付き合い下さいませ。

PART5 品詞のパワーを習得せよ

今回はPART5です。PART5は1文の穴埋め問題です。穴埋めと言っても、タイプにはいくつか種類があるわけで、まずはこのタイプを押さえる必要があります。
サンプル問題|TOEIC Listening & Reading Test|TOEIC Program|IIBC
TOEIC公式のサイトの例題は、文法の問題とも取れますし、熟語の問題とも取れます。文法的に(D)はない、要素的に(A)を入れることも出来ない。(B)もis以降とto以降を比較すると不可能、というわけで答えは(C)しかない、という解き方もできますし、"There is N"で「Nがある」ですから、"There is no better N than A to V"で「VするのにA程よいNは存在しない」「VするならAが一番」であるということで一発で(C)を選ぶ、という解き方もできます。ですが、持ち時間の少ないTOEICのリーディングセクションというのを考えると、この問題は熟語の知識で(C)を候補に上げ、一応他の選択肢を確認し、改めて(C)を選ぶ、という手順を10秒以内に踏んで終えたいところです。
一方で、熟語等を知らなくても品詞の知識だけで解けてしまう問題もあります。このタイプの場合、最短で5秒で解くことができます。
先に練習問題を示してしまいますね、ここの例題を材料に説明したいので。

<練習問題>
http://www.alc.co.jp/eng/toeic/tokkou/part5_1/

この例題の選択肢を見てみますと、なんだか似たような単語が並んでいますね。それもそのはず、これらの単語は、全て意味的には同じなのです。では何が違うのかと言えば、品詞、すなわち文の中での役割が違うのです。(A) absenceは「欠席」という名詞、(B) absentは「欠席する」という動詞か、「欠席している」という形容詞、(C) absenteeは「欠席者」という名詞、(D) absentlyは「欠席の状態で」すなわち「心ここにあらずで」「上の空で」という副詞です。詳しい解説はリンク先に譲りますが、ここでは文法的に入る品詞が確定しているため、答えは(B)になるわけです。
このように、穴を埋めることができる品詞が限られている場合は、すぐに答えを選ぶことができます。答えの品詞を限定する要素さえ問題文から読み取れれば、別に問題文の意味を把握する必要はありませんし、最悪答えの方も、品詞さえわかれば、単語の意味がわからなくても答えを選ぶことができます。

さて、ここまで読んで、なんだか雲行きが怪しくなってきたと思っている方もいると思います。品詞…そう、品詞という言葉が出てきたということは、今回のテーマは文法ですね。そうです、グラマーです。多くの方が高校の英語の授業でコテンパにされた文法です。
しかし、文法は文字通り「文の法」なのです。英文法は「英語を使う上でのルール」なのです。ルールを一度覚えてしまえば、そのルールはどこに行っても使えるのですから、是非覚えたいところです。私は高校時代に、予備校の英語講師に、いかに文法が大事であるかということを教えられました。大学生になってもそのことは忘れず、塾講師アルバイトをしていた時も、折に触れてそのことを生徒たちに言って聞かせました。お陰様で、文法の知識云々はともかく、私は文法に対して前向きな考え方ができるようになったわけです。


そうです。私の英語の師はあの代ゼミの富田です。今でも黄色い富田の東大英語のテキストは大切に持っています。なので、右で紹介してるテキストは僕は使っていませんので悪しからず。

なので、この記事では、TOEICのPART5を解くために最低限必要な文法の知識を紹介していきます。

形容詞と副詞の違い、説明出来ますか?

品詞というのは、文における単語の役割のことであるということは、最初に言いました。品詞の中には、名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞、冠詞、代名詞、間投詞、数詞、等々あるわけですが、今回注目したいのは形容詞と副詞です。皆さんは、形容詞と副詞の違いを説明出来ますか?形容詞は、修飾する機能…まぁ半分正解です。では副詞は?
形容詞と副詞、これらは両方とも修飾の機能を持っているわけですが、両者の違いは、何を修飾するのかの違いしかありません。

  • 形容詞:「名詞」を修飾する
  • 副詞:「名詞」以外を修飾する

名詞をカッコ書きさせて頂いたのは、「名詞的機能を果たすもの」という意味を載せたかったからです。つまり、名詞の他、代名詞も形容詞の修飾する対象ですし、名詞句や名詞節も形容詞で修飾できます(あんまり名詞句や名詞節を直に形容詞で修飾することはありませんけど、文法上はそうなります)。
一方で、副詞の方は「名詞」以外の全てを修飾します。「名詞」以外の全てとは何でしょうか?例を挙げながら見てみましょうか。

  • I like tennis very much.

この文では、veryとmuchが副詞です。「私はテニスが好きだ」という文の「好き」という動詞に対して、どれくらい好きなのかを"very much"が修飾しているわけです。もう少し厳密に言えば、veryの方はmuchという副詞を修飾してます。muchなんだけど、とてもmuchなんだよということをveryが表しています。副詞は別の副詞を修飾することもできます。

  • This apple tastes really nice.

ここでは、reallyがniceという形容詞を修飾しています。niceなんだけど、どれくらいniceかと言えば、reallyにniceなんだよ、ということです。

  • Unfortunately, I can't go to this party.

この文の中で副詞はどれでしょうか?文頭のunfortunatelyが副詞です。この副詞は、文全体「私はこのパーティに行けない」に対して、「不幸にも」という意味を修飾しているのです。

副詞なんて飾りです。文法嫌いの人にはそれがわからんのですよ。

形容詞と副詞の違いをわかっていただけたところで、副詞の重要な特徴をお教えいたします。それにあたっては、またもや文法嫌いの人には懐かしい5文型のお話をしなければなりません。5文型とは、例のSとかOとかVとかです。今一度5つ全てを列挙してみますと、

  • 第1文型:SV
  • 第2文型:SVC
  • 第3文型:SVO
  • 第4文型:SVOO
  • 第5文型:SVOC

です。Sは主語(Subject)、Vは動詞(Verb)、Cは補語(Complement)、Oは目的語(Object)です。この4つには、それぞれ入る品詞が決まっています。

  • Sには名詞、代名詞などの名詞的機能を持つもの
  • Vには動詞(一般の動詞や助動詞の他、便宜上句動詞も含める)
  • Cには名詞か、叙述用法が可能な形容詞
  • Oには名詞、代名詞などの名詞的機能を持つもの

「句動詞」とか「叙述用法」など文法用語が出てきてしまいましたが、今回はとりあえず置いておきましょう。
さて、この中に副詞がないのには気づいていただけましたか?副詞は単独でS, V, C, Oのいずれにも入ることはありません。これはどういう意味かと言えば、副詞は、その文の文法的に成立させるのには不可欠な要素ではないということであり、つまり、副詞は文法上はおまけである、あってもなくてもいいものなのだという事であります。
先ほど、副詞の機能を紹介するところで示した3つの文章ですが、これらは副詞を消してしまったところで、文の意味が通じなくなることはありません。"I like tennis."も"This apple tastes nice."も"I can't go to this party."も、意味が通じます。
このことをTOEICのPART5を解く上でどう役に立つか。それは、穴埋め部を消しても文の意味が通じるならば、そこに副詞を入れることができるということです。
穴埋め部を消しても文の意味が通じるとき、そこに入るのは

  • 副詞
  • 限定用法の形容詞

の2つである場合がほとんどです。しかし限定用法の形容詞、すなわち第2文型や第5文型のCを担当しているわけではない形容詞は、その近くに(普通は直後に)その形容詞が修飾している名詞がいます。ですから、そういう名詞が見当たらない場合は、100%副詞が入ると思ってOKです。冠詞との位置関係から、副詞が入ることがわかることもありますが、その話はまた記事を改めて書きたいと思います。
→2013/6/10追記:その15:冠詞を手掛かりに文法問題を解く

また、副詞は特徴的な語尾(接尾辞)を持っていますから、それを知っていれば、初めて見る単語であっても、それが副詞であることが分かります。代表的なものは-lyですが、これもまた機会があれば別の記事で紹介いたします。
→2013/6/8追記:その12:覚えておくとよい重要接尾辞

あ、今回の練習問題もしっかりお願いしますよ、もう一度リンク貼っておきますので。
<練習問題>
http://www.alc.co.jp/eng/toeic/tokkou/part5_1/