漢字で書かない言葉
結城浩『数学文章作法 基礎編』を購入し、読み進めています。
以前手に取ってパラパラ立ち読みした時は、「なんか当たり前のことが書いてあるなぁ」ということで購入を見送っていたのですが、
どうも最近、仕事の方で報告書の手戻りが多く、どうにかしたいと思って購入に至りました。
漢字で書かない言葉
さて、表題ですが、
これは例えば、
- 「〇〇するとき」の「とき」を「時」と書かない
- 「〇〇すること」の「こと」を「事」と書かない
などのことです。
私も今まで、色々な場面でこのことを見聞してはいるのですが、今一つ納得できずにいます。
結城も、
接続詞・福祉・指示語は、ひらがなで書いた方が読みやすくなります.
然し → しかし
若し → もし
例えば → たとえば
(中略)
或る → ある「とき・こと・もの」を形式的に表現するときも,以下のようにひらがなを使いましょう.
~する時 → ~するとき
~する事 → ~すること
~する物 → ~するもの
たとえば,
素数pが整数nを割り切るとき,
pをnの素因数という.
に出てくる「とき」は「実際の時間」を意味していません.このようなときには,ひらがなを使うということです.(p30)
と書いてはいますが、やはり今一つ納得できずにいます。
納得できない箇所は2つあって、
- (接続詞等について)漢字自体も読みも義務教育で習っている用例なのに、なぜ漢字で書かないのか?そんなにわかりづらくなる?
- (とき・こと・ものについて)線引きの基準がわかりにくい。逆に、どういう時は漢字で書いていいの?
公用文での漢字使用ガイドライン
どうやら公用文で、どのような時に漢字を使えばいいかを示したガイドラインがあるようです。
このガイドライン(内閣訓令)では、
- このようなときは漢字で書くこと
- このようなときはひらがなで書くこと
と定めています。
内容を読んだところ、私の基準は割とこの公用文ガイドラインに近いです。
(2)-オの一部に納得いかないものがあるくらいかな。
オ 次のような接続詞は,原則として,仮名で書く。
例 おって かつ したがって ただし ついては ところが
ところで また ゆえに
ただし,次の4語は,原則として,漢字で書く。
及び 並びに 又は 若しくは
個人的には、「おって」「したがって」「ただし」は、「追って」「従って」「但し」と漢字で書いてしまいます。また、「若しくは」は「もしくは」とひらがなで書きます。