攻撃戦だ(공격전이다)を漢字交じりハングルに直してみた

デスク周りを整理していたら、北朝鮮の歌である「攻撃戦だ(공격전이다)」の歌詞を漢字交じりハングル*1に書き直したものが出てきたので、捨てる前にここに記録しておこうと思います。

 

北朝鮮は韓国とは異なり、漢字の使用を一切禁止しているので、公式に漢字交じりハングルで書かれたものはないと思います。

 私が実際にこれの翻訳をしたのは1年以上前だったはずなので、その手順ははっきりとは覚えていませんが、確か、

  1. 元の歌詞とその日本語訳を見比べて
  2. 漢語由来っぽいところを抜き出し
  3. Googleに和訳を検索させた

だったと思います。

 

攻撃戦이다

 

붉은旗 추켜들고 進撃해간다
銃隊를 앞세우고 突撃해간다
一心의 千万隊伍 이끌고가는
그 모습은 先軍旗幟다

攻撃 攻撃 攻撃앞으로
将軍님의 革命方式은
白頭山번개처럼 攻撃
正日峰雨雷처럼 攻撃
攻撃 攻撃 攻撃戦이다


山岳이 막아서도 踏歩가 없다
大敵이 밀려와도 防禦가 없다
瞬間도 멈춤없이 맞받아치는
그 戦法은 必勝不敗다

攻撃 攻撃 攻撃앞으로
将軍님의 革命方式은
白頭山번개처럼 攻撃
正日峰雨雷처럼 攻撃
攻撃 攻撃 攻撃戦이다 


目標는 強盛大国 希望峰이다
표대는 主体偉業 勝利峰이다
先軍의 直線走路 暴風쳐가는
그 걸음은 強行軍이다

攻撃 攻撃 攻撃앞으로
将軍님의 革命方式은
白頭山번개처럼 攻撃
正日峰雨雷처럼 攻撃
攻撃 攻撃 攻撃戦이다

漢字交じりハングルを見て改めて思うのは、やっぱりハングルの発音体系と漢字交じりハングルって相性悪いなぁと。
例えば、

攻撃 攻撃 攻撃앞으로

のところは、ハングルのみで書くと

공격 공격 공격앞으로

となります。これを無理やりカタカナに直せば
「コンギョ コンギョ コンギョッガップロ」
となるわけです。

ハングルはリエゾンのような現象が発生するので、
「攻撃」を意味する「공격」(ローマ字で書けば"konggyog")と、
「前へ」を意味する「앞으로」(ローマ字で書けば"apulo")が続くと
gとaがくっついて"konggyo-gapulo"のように発音されます。

漢字交じりではこれが「攻撃앞으로」のような表記になってしまうので、
「撃」の末尾にあるgと、次のaをリエゾンして発音するというのが、
見た目からわかりづらくなってしまうと思います。
(まぁ結局は慣れだとは思いますけど)

 

日本語にも同様の現象はあります。
観音を「かんのん」と読むのは、「観」末尾のnと、「音」先頭のoがリエゾンするからですし、
三位を「さんみ」と読むのは、「三」の本来の末尾であったmと、「位」先頭のiがリエゾンするからです。

 日本語には母音なしで/m/と発音する体系がない一方で、母音なしで/n/を発音する体系があったので、「三」は/sam/→/san/に変形しました。
因みにハングルで「三」はまさに「삼」/sam/と発音されます。

 

このように、日本語でもリエゾン現象は確認できるのですが、何しろ少数の固有名詞の中でしか発生しないので、あまり意識されません。
ハングルはいろんなところでリエゾンが発生するので、「この単語は特別」なんて覚え方はできないのです。 

*1:ハングル(한글)は韓国側の呼称であり、北朝鮮側の呼称はチョソングル조선글)ですが、ここでは日本人への馴染みの観点から、ハングルという呼称で統一します。