「茶漬る」の文献「遊子方言」「傾城買四十八手」から「茶漬る」を探す

今、twitter上で「茶漬る」という動詞が話題になっています。

「告る」「ディスる」のような名詞+「る」という造語法は江戸時代からあったようです。
辞書編集者の神永暁さんの「さらに悩ましい国語辞典」(時事通信社)によると、
「お茶漬けを食べる」という意味で「茶漬(ちゃづ)る」という語があり、
「茶漬っていこ」のように使われたそうです。(雅)
日経新聞 記事審査部(校閲担当) @nikkei_kotoba 9月26日

辞書を文献にしているので、よっぽど誤りはないとは思いますが、
やはり原本を当たってみたいと思い、調べてみました。

まずは、togetterでも紹介されている江戸時代の洒落本「遊子方言」を調べてみました。

おおお。「ちゃづる」、日国に出てた。 https://twitter.com/nikkei_kotoba/status/912503110978768896
平山鉄太郎‏ @__tetsu__ 9月26日

国立国会図書館デジタルコレクションに登録されており、
35コマ目の7〜8行目にありました。そのすぐ後に、もうひとつの文もありました。
「こ」=「古」、「つ」=「徒」、「か」=「可」、「し」=「志」、「は」=「者」など、
それぞれ元とする変体仮名で書かれていました。

(通り者)これ新や。茶づらせろ
(新ぞう)何、けづらせろとかへ
(通り者)これさ。そんなに。しやれずと。はやく。持て来やなのう色男ちっくり茶づッてゐこじやないか。
国立国会図書館デジタルコレクション - 遊子方言

次は、コトバンクなどで文献に挙がっている、やはりこれも江戸時代の洒落本「傾城買四十八手」を調査しました。
茶漬る(チャヅル)とは - コトバンク

毎度おなじみ、国文学研究資料館のデータベースにありました。
19コマ目の3〜4行目に見つけました。

酒をバよしてちやづんなんせバいい
傾城買四十八手:19/51コマ