2ヶ月後のTOEICのために要点やテクニックをまとめてみた(その12:覚えておくとよい重要接尾辞)

池田義一郎「入試進出7000 英単語の総整理」を参考に、TOEIC受験者が覚えておくといいかもしれない接尾辞をまとめてみました。
英単語は、その単語の意味を表す部分と、役割を表す部分に分けることができるものがあります。(分けられないものもあります。)その中で、単語の後ろに付き、単語の意味や役割を表すものを「接尾辞」と呼びます。例えば、"teacher"という単語は、「教える」という意味の動詞である"teach"に、「〜する人」を意味する接尾辞"-er"をつけたものと考えることができます。似たようなものに「接頭辞」というものがあり、こちらは単語の頭に付くものです。接頭辞や接尾辞を理解していると、初めて見る単語であっても、その役割や、上手く行けば意味も推測することができます。
今回は、TOEICのPART5の空欄補充の文法問題対策として、役割を意味する接尾辞をいくつか選んで紹介してみようと思います。選考基準は私の独断と偏見でありますので、その点はどうかご容赦下さいませ。

名詞をつくる重要接尾辞

-ation, -ion, -ition

典型的な名詞をつくる接尾辞です。例を挙げるときりがないのですが、折角なのでTOEIC頻出単語から選んでみましょうか。


東京駅 Tokyo Station / Yuya Sekiguchi

"station"も構造的には"state"+"-ion"と見ることができます。
語源的にはラテン語の時点で既に"statio"まで形は出来上がっていますけどね。

  • section: 区域、部分、〜課
  • operation: 営業、操業、手術
  • competition: 競争
  • application: 申請書
  • description: 描写、説明
  • regulation: 規則、条例
  • foundation: 基礎、土台、財団
  • position: 職、勤め口
  • location: 場所、位置
  • production: 製造、生産
  • organization: 組織

"-ation"で終わる名詞の場合はほとんどの場合、"-ation"を取って"-ate"や"-e"をつけると動詞に変わります(基本的な流れは逆で、"-ate"で終わる動詞を名詞化するのに"-ation"をつけるわけですが)。また、センター試験対策では定番ですが、"-tion"で終わる単語はその直前の母音にアクセントが置かれます。

-ness

これも定番です。多くの場合、形容詞につけて名詞化するのに使います。日本語だと「〜さ」と訳すとしっくり来ますね…と言いながら、TOEIC頻出から引っ張ってくるとあんまり見つからないねぇ。

  • sickness: 病気
  • illness: 病気
  • witness: 目撃者
  • awareness: 認識、自覚
  • darkness: 暗闇
  • boldness: 大胆さ

因みに"business"も"busy"+"-ness"というのが定説です。元々は「忙しさ」から「勤勉」「努力」という意味だったのが、「仕事」「用事」に変遷して、今ではもっぱらそっちの意味でしか生き残ってない単語だそうです。また、"busy"と綴って/bízi/と発音するのは、活版印刷が発明されて綴りが統一化される中で、綴りではイギリス中西部や南部のものが覇権を握ったのに対し、発音はイギリス中東部のものが生き残ったという流れらしいですよ。

-logy, -ology

主に学問を表す接尾辞です、というかそれしか表さないと言っても過言ではないくらいです。なので、例えば文中に"anthropology"なんて見たことのない単語が出てきても、あぁこれは学問の名前だろうな、と思って読み流すようにしましょう(anthropology: 人類学)。もしそれが重要なキーワードなのであれば、文中の他のヒントから類推するというのがセオリーです。

  • psychology: 心理学
  • technology: 工学
  • astrology: 占星学
  • biology: 生物学
  • meteorology: 気象学

学問を表す接尾辞は他に"-ry","-y"がありますが、他の意味を持つ場合もあるので、ここでは割愛します。

-ee

「〜される人」という意味を持ちます。一方で「〜する人」は"-er"(たまに"-or")ですね。

  • employee: 従業員
  • absentee: 欠席者
  • attendee: 出席者
  • trainee: 訓練生
-age


Heathrow baggage handler strike / tjriley82

"-age"は色々な意味を持つのですが、ここでは2つ紹介します。
1つは、ものの集合を表す場合です。

  • baggage: 手荷物(アメリカ英語)
  • luggage: 手荷物(イギリス英語)
  • package: 小包

もう1つは、料金を表す場合です。

  • postage: 郵便料金
  • carriage: 運賃
  • tollage: 高速料金

形容詞をつくる重要接尾辞

-al, -tic(-ique), -tive, -ous

あまりにメジャーどころなので、ひとつにまとめてしまいました。日本語でも「〜チック」って言ったりしますよね。例示は割愛します。
なお、同じ語幹に対して"-al"と"-ous"のそれぞれが付いて形容詞を作ることがありますが、意味合いについては、同じである場合と違う場合があるので、それぞれで覚えて下さい。

  • historic(歴史的に有名な)とhistorical(歴史の)
  • industrial(産業の、工業の)とindustrious (勤勉な)
-able

可能や適合、価値を意味することがあります。意外とたくさんありますし、多分に未だに造語力を持ってるきがする。

  • possible: あり得る
  • available: 利用できる
  • comfortable: 快適な(慰めにすることができる)
  • reasonable: 理にかなった
  • affordable: 手頃な(購入することができる)
  • valuable: 貴重な
  • suitable: 相応しい
  • noticeable: 目に付く、注目に値する

よくある間違いですが、"valuable"に否定の接頭辞"in-"をつけた"invaluable"は「(価値を測れないくらい)貴重な」という意味になり、「無価値な」という意味にはなりません。後で紹介しますが"valueless"が「無価値な」という意味になります。

-ful

名詞につけて、「〜に満ちた」というニュアンスを持つ形容詞にします。

  • beautiful: 美しい
  • careful: 注意深い
  • wonderful: 素晴らしい
  • awful: 恐ろしい
  • thankful: 感謝している
  • skillful: 熟練した
-less

「〜のない」という意味の形容詞を作る接尾辞です。日本語では、例えば「ステンレス」は"stain"「シミ、汚れ」がつかない("-less")で「錆びない」という意味になっています。

  • endless: 終わりのない、無限の
  • homeless: 家のない
  • regardless: 気にしない
  • meaningless: 無意味な
  • groundless: 根拠のない
  • valueless: 価値の無い
  • senseless: 無感覚の、馬鹿な
[名詞]+ly

名詞に"-ly"をつけることで、形容詞にすることができます。後述しますが、[形容詞]+lyだと副詞になるので、選択肢に"-ly"で終わる単語を見つけたら、その前にある語幹を見て、形容詞なのか副詞なのかを判断しなければいけません。ただし、[名詞]+lyで形容詞を作るパターンはそんなに多くないので、「"-ly"で終わる単語は大抵は副詞、稀に形容詞」と思ってしまっても実用上は問題ないかもしれません。


Dairy Store - MILK / Sam Howzit

  • daily: 毎日の
  • monthly: 毎月の
  • timely: 適時の、タイムリーな
  • friendly: 友人の、好意的な
  • motherly: 母性的な
  • cowardly: 臆病な

▶"daily"と似た発音で"dairy"という単語がありますが、こちらは「乳製品」「酪農の」という意味ですので、間違えないように。特にリスニングではとても引っかかりそうで自分も怖いです。

副詞をつくる重要接尾辞

[形容詞]+ly, [形容詞]+ally

副詞を表す接尾辞の筆頭です。これも枚挙に暇がないないので、TOEICの頻出単語から例示してみましょうか。

  • surely: 確かに
  • lately: 最近
  • particularly: 特に
  • gradually: 徐々に
  • immediately: すぐに
  • properly: 適切に

以下、参考文献:
一杉武史: 聞いて覚える英単語 キクタTOEIC Test Score 600, アルク, 2008.
TOEIC頻出単語はこれを使って調べました。初めてTOEICを受験するときに買ったんだったような気がしますが、よく覚えてないです。
「単語帳はどれも同じ。色々な単語帳に手を出すくらいならエイヤと1冊を選び、それを極めろ」というのは大学受験生に良く投げつけられる言葉ですが、せめてどんな種類の単語帳があるかくらいは本屋さんで立ち読みしてみるべきだと僕は思いますよ。私はこれでも(これでも?)高校時代は英語は得意な方ではなかったので(通年評定で5段階評価で2を貰ったのは、後にも先にもライティングの授業だけです。学期評定で複数回2を食らったのはライティングの他に英語もあります。)、あまりおすすめの単語学習方法というのを受験生に提示できないのですが、現役時代は速単とDUO 3.0を使っていました。(そう言えば興味本位で「もえたん」を買ったこともあったなぁ。全く単語学習には使わなかったけど、今読むと面白いのかなぁ、例文のネタ的に。後で読んでみますか。)
今私が英単語学習に使っているのは、iKnow!というインターネットサービスで、院生1年の9月から今に至るまでほぼ毎日これで勉強しています。原則有料ですから(と言っても月額お弁当1つ〜1つ半分くらいですけどね)、大学受験生にはハードルが高いですが、一応大学受験対策コースもあります。
…しかし、左にアルクの本を紹介しておいて、併記の文では他の教材を押しているって、何て奴だ。