2ヶ月後のTOEICのために要点やテクニックをまとめてみた(その14:PART3をいかに解くべきか?)

一夜漬けレベルの勉強ではとてもとても点数アップは望めない、一般的に英語を読むことよりも聞くことのほうが苦手な日本人にとっては、それくらいPART3や4は難しく、ここで苦しんでいる人はとても多いと思います。リスニング能力なんて、一朝一夕で上がるものじゃない。でもだからこそ、ちょっとしたテクニックを身につけるだけで、他の人よりひとつ抜きん出た結果を得ることができる、そう考えることは出来ないでしょうか?
勿論、TOEICで満点レベルを目指すのであれば、結局は自身のリスニング能力を向上させるほかありません。しかしそうでないのなら、600点台や700点台を目指しているくらいのレベルなのであれば、ある程度の小手先テクニックをしっかり身につけることで、目標点数に近づくことが出来ると考えています。但し、最初に言っておきますが、この「ある程度の小手先テクニックをしっかり身につける」には、ちゃんと問題演習を一定量こなす必要があり、文頭で言ったように、一夜漬けで身に付けることは不可能です。そのことをご承知いただいた上で、今回はそのようなテクニックを紹介してみたいと思います。

PART3の流れ


Yuno's alarm clock ?
No, it's mine. / matsuyuki

最初に、攻略対象であるPART3の構成を見てみましょう。
PAER3は、男性と女性の会話が1回放送され、その会話について3問の問題が出題されます。各問題ごとに4つの選択肢があり、問題文と選択肢のみがテストブックに掲載されています。これが10セット、合計30問あるのがPART3です。
次に時間です。PART3に入ると、最初に約30秒程のディレクション(問題の説明)が放送されます。それから、最初の会話文が放送されます。その後に、1つ目の設問文が流れ、8秒間の無音、2つ目の設問文が流れ、8秒間の無音、3つ目の設問文が流れ、8秒間の無音、そして次の会話文が放送される、という流れです。どうしてこんなに細かく時間を述べるかといえば、PART3と4こそ、秒単位の時間管理が必要だからです。

リスニング能力に自信がない人がPART3を解くときに守るべき3つの事

さて、ではここからは具体的なテクニックを見てみましょう。小見出しにある通り、リスニング能力に自信がない人は是非とも守って頂きたいのですが、逆に、リスニング能力に絶対の自信がある人は、この限りではありませんし、実際にここに書いてあることと真逆の事を言う人もいます。どちらが正しいのかと言えば、多分どちらも正しいのでしょう。大事なのは、自分の能力に見合った解き方を身につけること。これです。能力がない人が難しいことをしようとしても結局は破綻してしまいますし、逆に、能力がある人が簡単なことしかしなかったら目標点数には何時まで経っても届かないでしょう。私はこの記事を書いている時点でTOEICスコアが700点に届いていません。リスニングとリーディングでそれぞれ350点弱くらいで、併せて600点台後半というところです。正直、リスニング能力には余り自信がありません。そういう人は、是非、以下のことを実践してみて下さい。

鉄則1:マークシートは後で塗りつぶせ

これはその1の記事ですでに紹介していますので、詳しくはそちらを読んで下さい(その1:マークシート?いいえ、チェックボックスです。)。問題回答中はマークシートにチェックを入れるくらいにして、リスニングセッション全体が終わった後で、1つずつマークシートを塗りつぶしていきましょう、というものです。

鉄則2:3つの設問は最低限先読みせよ

会話文が流れ始める前に、その問題の3つの設問はしっかり先読みしましょう。それぞれの選択肢まで読めるのがベストですが、時間がない人は設問を優先して読むようにして下さい。
とは言うものの、訓練さえ積めば選択肢まで読めるようになります。何故なら、この先読みを行う時間はどんなに少なく見積もっても16秒以上あるからです。この16秒はどこから捻出するかといえば、1つ前の問題における、2つ目・3つ目の設問文が読まれている時、及びそれぞれの後にある8秒間の無音時間です。この16秒間で、次の問題の設問と選択肢を全て読むのです。設問が3つ、それぞれの設問に選択肢が4つなので、15行の短文を16秒で読むのですから、単純計算で1秒間に1行読めばいいことになります。設問の文は大方決まりきったパターンなので、練習をすれば1秒で1つ分読めるようになりますし、選択肢は1つ当たり、数単語から多くても8単語位からなる短文ですから、これも1秒で読むことは不可能ではありません。
但し、これを実践するためには、1つ目の設問文の放送が終わり、そこから8秒経過するまでに、その問題の3つの設問には全て回答しなければなりません。設問文を読む放送は完全に無視する必要があるわけです。問題への回答は、その問題の会話文が放送されている間と、1つ目の設問が読み終わるまでに終えなければならないのです。具体的には、

  • 最初の先読みで、全ての設問文と選択肢を読み込み、同時に、「森」と「木」を見分ける。
  • 会話文の放送が始まったら、文中のキーワードになりそうな単語を聞き取りつつ、「木」問題の答えとなる部分を探し、見つけたらその都度回答する。
  • 会話文が終わったら、拾い上げたキーワードを元に「森」問題の回答をする。
  • そして、2つ目の設問文が読まれ始めたら、次の会話文の設問及び選択肢を先読みする。


という流れが理想となります。もし2つ目の設問文が読まれ始める前に回答が終わらなかったら、もう適当にそれらしい答えを選んでください。そこで徒に時間を浪費し、次の問題で3問とも失点するくらいなら、時間内に回答できなかった問題は捨てて(と言っても、ノーマークにはせず、それっぽいものを一応は回答し)、次の問題の先読みをするほうが賢明です。

鉄則3:会話の場面を思い浮かべられるキーワードをキャッチせよ

これは、「森」問題を解く上で必要になります。「森」問題の代表的な設問である「この会話はどこで行われていそうか?」や「男性/女性はどんな人であろうか?」に答えるためには、それを推測できるヒントを会話文から拾い上げなければなりません。ですから、そういうキーワードを拾うスキルが必要になります。このキーワードを拾う上でも、設問文や選択肢の先読みは有効です。会話文の中に現れる単語が、設問文や選択肢に含まれていることがあるからです。これらを読むだけで、会話の内容を推測することも不可能ではありません。しかし、あくまでこれは、「森」問題を解くのにできるだけ会話の状況を把握するために行なっているのであり、「木」問題を解くためにキーワードを拾っていってはいけません。「木」問題を解くには、キーワード単位ではなく短文単位で聞き取りができなければなりません。そうしないと、問題作成者の罠に見事に嵌ることになるのです。この「罠」については、また記事を改めて紹介したいと思います。
→2013/6/30追記:その27:PART3の「同一単語の罠」のパターンを知る