アルファベット

hの話 まとめ記事

「hの話」は2023年7月時点で9つの記事があります。この記事ではこれら9つの記事を整理してみます*1。 hの話(その1:黙字のh) 発音されない"h"についての簡単な紹介 ヨーロッパ諸語に限らず、日本語でも類似の現象が起きていることの紹介 lar-lan-lin.haten…

hの話(その4:hの役割が変わった時)

前回:hの話(その3:hとc)Akropoli / DanielKrieg.deギリシャ語のΗ(イータ)は、はじめ/h/音の役割を担っていたが、次第に/h/の音が使用されなくなったため、代わりに/e/の音を担うことになった、というのは、以前紹介したとおりである。しかし、この現象…

アルファベット裏話(その2:IVLIET「あぁロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」ROMEO「えっと…どちら様で?」)

Title page of the first editionGの誕生が紀元前なのに対し、JとUの誕生は大分遅い。ラテン語では元々、Iの文字が[i]と[j]*1を、Vの文字が[u]と[w]を担っていたが、遅くとも6世紀頃には、[j]の音は[ʤ]に、[w]は[v]に変化していたと考えられている。それでも…

アルファベット裏話(その1:G「よう似たもの同士」R「何だと新入りが」)

IMG_0559 / bjornmeansbearアルファベットと言えば、AからZまでの26文字を思い浮かべる。このアルファベットは、昔から26文字だったわけではなく、使用言語に合わせて進化を遂げてきた。文字は言葉と同じ「生き物」なのだ。今回は、進化の過程で生まれた文字…