ラテン語

hの話 まとめ記事

「hの話」は2023年7月時点で9つの記事があります。この記事ではこれら9つの記事を整理してみます*1。 hの話(その1:黙字のh) 発音されない"h"についての簡単な紹介 ヨーロッパ諸語に限らず、日本語でも類似の現象が起きていることの紹介 lar-lan-lin.haten…

hの話(その9:"sh"のh)

▲シュークリームの「シュー」とはフランス語で「キャベツ」を意味する"chou"が由来です。ちなみに「クリーム」は英語由来であり、「シュークリーム」という言葉は日本で生まれた和製外来語です。前回:hの話(その8:英語の"gh"とドイツ語の"ch")前々回にて…

アルファベット裏話(その2:IVLIET「あぁロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」ROMEO「えっと…どちら様で?」)

Title page of the first editionGの誕生が紀元前なのに対し、JとUの誕生は大分遅い。ラテン語では元々、Iの文字が[i]と[j]*1を、Vの文字が[u]と[w]を担っていたが、遅くとも6世紀頃には、[j]の音は[ʤ]に、[w]は[v]に変化していたと考えられている。それでも…

アルファベット裏話(その1:G「よう似たもの同士」R「何だと新入りが」)

IMG_0559 / bjornmeansbearアルファベットと言えば、AからZまでの26文字を思い浮かべる。このアルファベットは、昔から26文字だったわけではなく、使用言語に合わせて進化を遂げてきた。文字は言葉と同じ「生き物」なのだ。今回は、進化の過程で生まれた文字…

hの話(その3:hとc)

前回:hの話(その2:音を失くしたhの役目)Vegan Double Chocolate Brownie Chunk Ice Cream /Veganbaking.net フランス語、イタリア語、スペイン語で、hと中が良いのはcであろう。 cは現在、多くの言語で様々な音を担当している。英語の中だけでも、 /k/:…

ラテン語の名詞変化はこう覚える(その3:ローマの詩人は男ばかり?)

さて、まずは皆様にお詫びしなければいけないことがあります。 先のエントリー、その1、その2で「男性名詞」「中性名詞」「女性名詞」と呼んでいたものは、実はウソです。 本当に申し訳ありません。 正しくは「ほぼ男性名詞」「中性名詞」「ほぼ女性名詞」…

ラテン語の名詞変化はこう覚える(その2:格変化 6つあろうが 怖くない)

さて、ラテン語の名詞変化の覚え方、第2回は前回出てきた表を覚えやすくするためにざっくりと加工してみたいと思います。 前回出てきた方は以下のようなものでした。性が3つ、数が2つ、格が6つで計36個の格変化となっています。 単数 男性名詞 中性名詞 女性…

ラテン語の名詞変化はこう覚える(その1:"Bravo!"とは失礼しちゃうわ)

ラテン語を学ぶにあたっては、その子孫である言語の知識が役に立つことがある。 例えば名詞の格変化を覚えるには、イタリア語の言葉の決まりを覚えていると大変効率が良い。 イタリア語?と固くなる必要はない。ここではよく聞くイタリア語を例に話を進めよ…