2ヶ月後のTOEICのために要点やテクニックをまとめてみた(その21:聞き間違えやすい英単語を実際に聞いてみよう)

今回は、リスニングセッションで、特にPART1や2で聞き間違えやすい英単語を実際に聞いてみようという試みです。ネットの世界は大変便利なもので、英単語の音声データもしっかり転がっていますから、それを使って実際に聞き分けてみましょう。
この記事で使用する音声データは、「ウィキペディア」などを展開しているウィキペディア財団のメディア管理プロジェクト「ウィキメディア・コモンズ」にアップロードされているものを使用しています。「コモンズ」にアップロードされているデータはパブリックドメインを採用しているため、一定のルールのもとで自由に使うことが出来ます。音声データへのアクセスはiframe形式が提供されていますが、はてなダイアリーではiframeを使うことは出来ないので、iframeをGoogle Gagetに変換するサービスを利用して、記事内にブログパーツとして貼り付けています。
iframe → Google Gadget コンバータ
現在の私のPC環境(Mac OS X 10.8.3/ Google Chrome 27.0)ではこれで正常に動作しているのですが、スマートフォン環境からだと直接このブログから音声を聴くことが出来ないかもしれないので、それはご了承下さい。音声データをDLして聞く形になると思います。一応元データがある「コモンズ」Webサイトへのリンクも併せて貼っておきます。

workとwalk

定番ですね。workの方が口をつぼめて篭った音を出しています。walkの方が「ワーク」と発音しているように聞こえます。

ing形のものもあったので一緒に貼っておきます。こっちのほうがちょっと聞き分けづらいかな。まぁWikiのデータは品質は保証されていませんから、それは仕方ない。

holdとfold

これも定番です。こうやって単独で聞いてる文にはhとfの音なんて間違えないのですが、これがセリフの中に混じると途端に判別が難しくなる。

こちらもing形があったのですが、foldingの方が若干音質が悪い。

fillとfeel

発音としては、母音が伸ばされているか否かくらいしか違いがないですね。

ing形も。やはり長短でしか区別できない。若干fillの方が母音を強めに発音してる?

readとlead

日本人の苦手なLとRの音の違いです。日本語の「ら」の音は、LとRの中間の音だと言われていますが。日本語の「ら」よりしっかり舌先を上の歯の付け根に当てているのがLの音、日本語の「ら」よりしっかり舌先を浮かせて手前から奥に引いているのがRの音だと、僕は理解しています。そのため、Lの音はしっかりと「ラ」と聞こえるのに、Rの音はなんだか「わ」のように聞こえることがあります。特に、口の開きが狭いiやuの母音と一緒に発音されると、riは「うぃ」に聞こえ、ruは「う」に聞こえてしまうことが多いですね。僕は中学生の頃、"really"がどうしても「うぃありー」にしか聞こえませんでした。

ing形も併せて載せておきます。

本当にLとRの音を聞き分けたいと言うのでしたら、自分がLとRの発音を正確に出来る必要があります。「自分の発音できない(発音し分けることが出来ない)音は聞き取る(聞き分ける)ことも出来ない」というのは本当だと私は信じています。日本語にない英語の発音はたくさんありますが、どこかのタイミングで一度発音の勉強はしっかりとしたほうが、後々の英語力の伸びを助けると思います。

最後に元も子もない話を


CIMG0620.JPG / Simon Welsh

さて、これだけ何回も耳を鍛えれば、本番で聞き間違える可能性は幾分かは下げることが出来たと思います。しかし、実はリスニングの引っ掛け問題対策という観点に限って言えば、必ずしも発音の似た単語を聞き分ける必要はないということを、最後に申し上げてこの記事を終えたいと思います。
例えばPART1の問題で、写真の中の人物が仕事をしているように見えたとします。この時に、"work"の引っ掛けとして"walk"を含んだ選択肢が聞こえたとしましょう。その音声を聞いた時に、「これは"work"じゃない、"walk"だ」と、発音の違いを判別できたとしても、「これは"work"って言ってるのかな?」と、発音の違いを判別できなかったとしても、この後の判断は「これはTOEIC定番の引っ掛けの選択肢だから正解じゃない」となり、誤答を防ぐことになるのです。特にPART2では「問題に出てきた特徴的な単語を含む選択肢は正答ではない」の法則が強く働くので、一層に聞き分ける能力は必ずしも必要でなくなってしまいます。
今回紹介した聞き間違えやすい英単語は、高頻度で出てきて、しかも高確率で正答の選択肢ではありません。なので、ここで紹介した単語を含む選択肢は有無を言わさず正解から除外するというスタンスでTOEIC本番を迎えるというのでも、全然構わないと僕は思います。
ただ一方で、引っ掛けとしてではなく、問題を解く上で重要なキーワードとして使われている場合は別です。その場合は、発音された単語を正確に判別しなければ、正答にたどり着くことが難しくなってしまいます。そういう観点では、この聞き分け能力は高い方が良いでしょう。というわけで、どうぞ今回の記事は無駄だったとは思わないで頂けると幸いでございます。