2ヶ月後のTOEICのために要点やテクニックをまとめてみた(その30:日本語と英語との感情に対する考え方の違い)

英語で感情を表す表現の中には、「be動詞+動詞の過去分詞形」の形のものがあります。有名どころだと"be interested in"や"be surprised at"などが挙げられます。学校や学習塾の授業ではよく「"interest"は『興味を持たせる』という意味だから、『興味を持った』ということは『興味を持たせられた』となり、受動態の表現になる」というような、なんとも回りくどい、混乱を招きかねない教えられ方を受けた方もいらっしゃると思います。今回は、このような表現に使われる動詞を「感情動詞」と呼び、この感情動詞を通して英語における感情に対する考え方や、日本語での考え方の違いを述べたいと思います。

日本人「感情は心から湧き出るもの」


Jumping / Will Foster

日本人は、というより日本語を母語とする者は、感情はその人の心から湧き出るものと考えています。「喜びがこみ上げてくる」「怒りが湧いてくる」などの表現がその証左です。日本語ネイティブは、感情とは、その感情を励起する対象を知覚することで、自身の内側から生まれるものであるとみなしていることがわかります。従って、「興味をもつ」「驚く」「ワクワクする」など、感情を表す表現は能動的な表現になります。

欧米人「感情は対象から与えられるもの」

一方で、英語を始めとするヨーロッパ各言語では、感情は知覚対象から与えられるものであるという考えがあります。感情はその人の心から湧き出るものではなく、対象の影響を受けた結果得るものであるという考え方です(私はこれを個人的に「感情を投げつけられる」とイメージしています)。従って、感情を引き起こす主体は人でなくても良く、例えば

  • The news surprised me.

と、モノが主体になることもありますし、

  • This game is so exciting.

のように、客体(感情を引き起こされる人)がない表現も出来るわけです。これを、客体を主語にすると、

  • I was surprised at the news.
  • I am so excited at this game.

と、受動態の表現になるのです。

形容詞として使う時も注意


Soccer Stadium / martha_chapa95

以上のように、英語において感情は「対象から与えられるもの」と考えられているのです。このことは、動詞を分詞の形にして形容詞的に用いる時にも注意が必要であることを示唆しています。例えば、「ワクワクする試合」と言いたい時は、"exciting game"と、現在分詞の形(ing形)で用いる必要があります。"excite"をするのは"game"なのですから。このような考えをしっかり身に着けていれば、TOEICの文法問題で現在分詞か過去分詞かで迷うことはなくなるでしょう。感情動詞については、物を修飾する時は現在分詞、人を修飾する時は過去分詞と覚えてしまっても問題ないと思います。